コンポーネント
フロントフォークは、定評あるÖhlins製NIX30倒立モデルで、43mm TiNコーティングのスタンチオンを備え、その効率性と幅広い調整範囲によってハンドリングのダイナミクスを大きく向上させています。調整機能は、スプリングプリロード、並びにコンプレッション/リバウンドのダンピングと、走行条件に合わせた幅広い設定が可能です。ライダーは、公道とサーキットの異なるライディングに合わせ、サスペンションの動きを細かく調整可能です。同様に印象的なのは、デュアルチューブ テクノロジーと外部ピギーバック リザーバーを装備した、完璧な調整が可能な、Öhlins TTX 36ショックアブソーバーです。また、格調高いÖhlinsパッケージを完成させるのは、19段階の調整が可能なステアリング ダンパーです。公道とレーストラックの両面で、絶対的な安定性を保証します。Öhlins製サスペンション パッケージは、標準のF3 RRサスペンションに比べて重量を1kg軽減しました。Bremboブレーキシステムには直径320mmのフロントディスクがフローティングでマウントされ、Brembo Stylemaモノブロック ラジアル マウント キャリパーとともに装備されます。リアブレーキは直径220mmのディスクでコントロール性を優先。エキゾーストシステムは、アクラポビッチによるフルチタンメイドです。 タイヤはピレリ ディアブロ ロッソ IV コルサで、サイズはフロントが120/70、リアが180/55になっており、フルカーボンリムに装着されます。これらのカーボンホイールはバネ下重量を軽減し、コーナリング時のベンチマークとなるアジリティと速さを実現し、レーストラックのパフォーマンスにおけるハンドリングの新たな基準を確立します。
素材
カーボンファイバー、チタン、及びアルミニウムは、この芸術品、もしくはエンジニアリングの傑作を形作る上で主要となる、3つのマテリアルです。すべてのエアロダイナミック コンポーネントに関しては、MVアグスタが長年にわたって培った職人技を活かして、鍛造カーボンファイバーを用いて製造されています。
さらなるアップグレードは、F3 Competizione専用に開発されたカーボンホイールの形状にあります。このホイールは、F3 RRのアルミ製ホイールと比較してバネ下質量と重量を3kg削減しています。この変更は、特に切り替えし時の素早い方向転換の際に、ハンドリングと機敏さに良好なインパクトを与えます。また、マット仕上げのカーボンが美的な豪華さを付加し、モーターサイクルを機能的な芸術作品へと変貌させます。
すでに印象的なパワーウェイト レシオをさらに向上させるため、MVアグスタの研究開発部門は多大な労力を注ぎ込みました。例として、標準バッテリーはリチウムイオンに交換され、さらに3kgの軽量化に成功しました。エキゾーストシステムをチタンで製造することにより、重量はさらに軽減され、驚異的な軽量化に貢献しています。片持ちスイングアームとサイドプレートにはアルミニウムが使用され、スチール製のチューブ状トレリスフレームに統合されています。標準のF3 RRと比較してF3 Competizioneの重量は合計で14kg軽減されています。
エンジン
このモデルのために特別に開発され、専用キットに含まれるチタン製アクラポビッチエキゾーストシステムのおかげで、F3 Competizioneは13,500rpmで160hpの出力を達成し、さらに3kgの重量軽減を実現しています。F3 Competizioneの心臓部には、MVアグスタを象徴する798ccの3気筒カウンター ローテーティング エンジンが搭載され、チタン製バルブが高回転域でのパフォーマンスを可能にし、リミッターは13,500rpmに設定されています。総重量の削減量はRRバージョンに比較して14kgで、結果としてパワーウェイトレシオは0.9hp/kgになっています。エンジンはユーロ 5+の認証基準を満たし、モーターサイクルは公道での排気ガス基準を満たす標準的構成になっています。 新しい9ディスクMVアグスタ スリッパー クラッチは、レーストラックでも公道でもより良いパフォーマンスを提供し、ライダーがレバーを引くのに要する力を50%削減します。これに、MVアグスタ電子アシストシフトを組み合わせることで (アップシフトとダウンシフトの両方で)、さらにスムーズで正確なライディング体験を得ることができます。
エレクトロニクス
F3 Competizioneには、6軸IMUとペアになった新しいECUが装備され、4つのライディングモードが設定されています (レイン、スポーツ、レース、カスタム)。これにより、空間的な位置やエンジン操作に関連する複数のパラメータに基づき、多数のコントロールを管理できます。トラクションコントロールは次の8レベルです:レインが2レベル、ストリート用が3レベル、そしてサーキット用が3レベル。
ライド・バイ・ワイヤー スロットルは、より簡単で正確なコントロールのためにネガティブストロークを採用し、オンオフ効果を排除することで、標準装備のクルーズコントロールのスムーズな解除を可能にしています。5.5インチのフルカラーTFTダッシュボードは、MVライドアプリとの相互作用により、ライダーは走行距離の記録、バイクのセットアップ、ターン・バイ・ターン ナビゲーションのアクティベーション、及びその他のいくつかの機能を利用できます。
電子パッケージには2つの動作モード (スポーツとレース) を持つABSが含まれています。車体がバンクした状態でも安全性を高めるためのコーナリング機能を備えています。ABSを完全に無効にできるのは、専用のアクラポヴィッチエキゾーストマッピングで、レーストラックで使用されている場合に限られます。また、F3 Competizioneにはローンチコントロールも装備されており、フロント リフト コントロール (FLC) システムとペアにすることで、時速0~100kmの加速を3秒以下で行うことができます。
エアロダイナミクス
F3 Competizioneには、F3 RRの先進的なエアロダイナミクスのセットアップが組み込まれています。これはこのクラスで比類のないパフォーマンスを発揮することを目的とした特殊な要素を持っています。フェアリングに完璧に統合されたエアロダイナミクス ウイングは鍛造カーボン製で、時速240kmの際フロントに8kgのダウンフォースを発生させることができます。エアロダイナミクス パッケージには、スモークド レーシング ウィンドスクリーン、カーボンファイバー製のフェアリング サイドパネル、及びブレーキ冷却とエンジン温度コントロールの両方で空気の流れを最適化するように設計されたフロント フェンダーが含まれています。
美学
すべてのMVアグスタに言えることですが、デザインと細部へのこだわりは最も重視されています。Centro Stile MVアグスタは、F3 CompetizioneのためにF4 Claudioから明確なインスピレーションを得て、サテンメタリック カーボン ブラック、サテン インテンス シルバー、及びゴールドなどの色を選択し、エキスポースドカーボンファイバーを多用しています。シートはアルカンターラで覆われており、洗練された雰囲気があるだけでなく、理想的なグリップと人間工学に基づいた快適なライディングを提供します。超越した美的な特徴は、特定のコンポーネント (特にフロントブレーキ ディスク フランジとリアスプロケットなど) に施されたゴールド仕上げです。 さらに独占的なタッチになっているのは、新しいCNC加工のステアリング ヨークに付けられたシリアルナンバー付きプレート (XXX/300) です。